産業技術連携推進会議 機械・金属部会

平成17年度 メカトロニクス研究会(第20回)

[2005.11.17 更新] 開催報告,参加者の皆さんからの感想,写真 追加

Index: 開 催報告プログラム、 開 催案内、 事務連絡、 参加申込

開催報告NEW

熊本県の皆さんの暖かいご支援のおかげで,12組織と1オブザーバによる27名の参加で盛況な研究会を開催できましたことを御礼もうしあげます.

初日の特別講演は非常に興味深く勉強になりました.九州東海大学の西川先生には,哲学に基づく歩行ロボットの研究とともに,社会に貢献する林業ロボットプ ロジェ クト構想を紹介いただきました.安川電機の鈴木先生には,過去の歴史を振り返って将来の技術トレンドへのヒントを与えていただきました.研究発表・事例紹 介では,会員組織の研究活動を紹介いただくとともに,オブザーバとして参加いただいた木崎エンジニアリングさんには磁粉モールドモータ技術を紹介いただ き,いろいろなところで使っていただきたいとの要請をいただきました.この研究会をきっかけに共同研究が始まれば嬉しいところです.今後の活動方針のディス カッションでは,皆さんの本音の議論を伺うことができました.矢野主査から研究会として予算獲得を目指した活動が提案されました.参加者の皆さんからは, メカトロニクス研究会への参加目的は情報交換や知的刺激を求めて参加するが,誰が代表として参加するのを決めるのが難しいというのが現状という意見をいた だきまし た.また,予算獲得に向けては,各県ごとの競争になる中でのメカトロ研究会の役割を問われるとともに,出口となる企業の参画がないとプロジェクトにならな いという意見をいただきました.また,各組織の現状としては,一部の組織ではロボットに関する積極的な取り組みが見られるが,県内企業への貢献が問われる 中で,メカトロのテーマがなくなりメカトロのグループがなくなった組織もあるとのことでした.最近は福祉をテーマとして取り上げている組織も多い中で,メ カトロ技術なのに部署が異なり交流がないという問題点があるようでした.産技連としても部会を超えた連携が必要だと思われます.そして,来年度も機械学会 のロボティク ス・メカトロニクス講演会に合わせてワークショップを開催することが提案され,三重県の藤原さんがオーガナイザのボランティアを引き 受ける検 討していただけることになりました.最後に,静岡県の日吉部長さんから来年度の静岡県で開催予定の第21回メカトロニクス研究会へのお誘いをいただきまし た.

二日目は桜井精技株式会社さんに技術調査に伺わせていただきました.社長さん自らが時間を割いて,現場を案内いただくとともに,会社の企業理念にはじまる 会社名の由来の説明からはじまり,会社としての苦しい時代を乗り切った苦労話を含めて産学官連携制度を上手く活用して現在の会社の成長を支える自社研究開 発力を高めてきたサクセスストーリーをご紹介いただきました.産総研の幹部の方々にも一緒にお話を伺っていただきたいような内容でした.

今回オブザーバとして参加いただきました木崎エンジニアリングさんには,ホームページの情報を見つけて連絡いただきました.ホームページによる情報公開の 大切さをあらためて感じることができました.これからも一緒に情報交換し,問題解決に向けて一緒に汗を流していただけるオブザーバの方々が次々と参加いた だけることを期待しております.

最後に,非常に熱心に討議し,情報交換いただいた皆様に感謝いたします.来年の静岡県でのメカトロニクス研究会で皆さんにお会いすることができれば幸いで す.

< 参加者の皆さまからいただいた感想 >

本音の情報交換会
交流会の様子(静岡県静岡工業技術センターさんに提供いただきました)

研究会プログラム

研究会  10月27日(木) 13:00〜17:00

熊 本県工業技術センター   (案内図)  精密機械分館  3F プロジェクト研究室

13:00-13:10  ご挨拶
矢野智昭 主査(産業技術連携推進会議 機械・金属部会 メカトロニクス研究会)
木村利昭 所長(熊本県工業技術センター)

13:10-14:10  特別講演1
「歩行ロボットの泣き所を鍛えなおす −ヒューマノイドを早く定職に就けるために− 」
西 川正雄 先生 (九州東海大 学)
概要:歩行ロボットは階段や段差にも対応でき る優れた利点があるが、エネルギー消費が多いことが早期の実用化を妨げている。ヒューマノイドの省エネ技術について幾つかのアイデアを紹介し、有望な就職 先について私見を述べる。

14:10-15:10 特別講演2
「メカトロ二クスの変遷」
鈴 木健生 先生 (株式会 社安川電機)
概要:メカ トロ二クスの生い立ちから現在にいたる発展の経緯とこれから成長するであろう分野の予測。

15:10-15:25 休憩・名刺交換

15:25-16:30 研究発表・事例紹介
「脊椎の力学的特性を測定するための6軸材料試験機の開 発」
藤原基芳 氏 (三重県科学技術振興センター 工業研究部 金属研究室)
概要:脊椎 は多自由度に動作するため、その力学的特 性を計測するためには、多自由度の試験が必要である。しかし、このような計測は困難なので、従来は限られた自由度の計測しか行えなかった。当研究室ではパ ラレルメカニズムと6自由度位置/力ハイブリッド制御を用いた6軸材料試験機を開発した。本発表では、装置の概要と、ヒト脊椎を模擬したウレタンゴム及び イノシシ屍体胸腰椎を用いて行った実験の結果を報告する。 http://www.mie-iri.tsu.mie.jp/mie/kenkyuhoukoku/h16.html
発表資料配布資料

「車輪型倒 立振子を用いた歩行支援問題」
小笠原健一  氏 (熊本県工業技術センター 電子部)
概要:自立した日常生活を営むには移 動手段の確保が不可欠であ る。既存の移動支援器はユーザの歩行能力を完全に代替えしてしまうが、行動の自由度確保・運動能力保全といった観点からはユーザの歩行能力を補完して必要 十分な移動能力を実現する支援機が望ましい。本報告では、当該歩行支援器検討のための糸口として車輪型倒立振子を用いた牽引問題を想定し、力制御を用いた 解法を述べる。

「超磁歪素子を用いた卓上型超微小硬さ測 定機の開発」
荻野重人 氏 (埼玉県産業技術総合センター 電子情報技術部)
概要:現 在、塗料・塗装メーカー、フイルムメーカー 等では、JISにより規格化されている鉛筆硬さ試験により薄膜製品の硬さ評価を行なっている。この試験は、鉛筆で薄膜を引っ掻いてキズが付いたか付かない かで判断するという「人の感覚」による試験なので、ばらつきが大きく、数値化を行なうことはできない。 そこで、鉛筆硬さ試験に代わるものとしてポータブ ル超微小硬さ測定機を開発した。この測定機は、測定時間約10秒で薄膜製品の「硬さ値・ヤング率」等を求めることができ、薄膜製品の的確な機械的特性評価 が可能になる。 http://www.saitec.pref.saitama.lg.jp/

磁 性粉体モールド法による固定子一体型電動機および多極発電機固定子製作技術の実用化研究
副島勝則 氏 (有限会社 木 崎エンジニアリング)
概要:平成14年から産学官連携で次世代モータおよび 発電機の開発をテーマに研究を行っております。平成16年度は産総研・長崎県工業技術センター・長崎大学電気電子工学科と共同研究を行いました。今年度は 「磁性粉体モールド法による電動機固定子製作方法の実用化開発」で長崎先端技術開発協議会の研究開発テーマに採択されております。今後、メカトロニクスや センサーへの磁粉樹脂複合材料や磁歪材料の応用を研究していきます。

「RTミドルウェアプロジェクトと標準化 活動」
神徳徹雄 氏 (産業技術総合研究所 知能システム研究部門)
概要:ソフトウェアのモジュール化を進めたオープンなロボットアーキテクチャにより技術の共有化を狙ったRTミドルウェアプロジェクトとその普及策として の標準化活動を簡単に紹介する. http://www.is.aist.go.jp/rt/
配布資料

16:30-17:00 平成17年度活動報告、今後の活動方針、他

17:00-17:05 次回開催地について
日吉公男 氏(静岡県 静岡工業技術センター)

交流会 10月27日(木) 18:00〜20:00

グ ランド肥後 (宿泊場所:熊本市東町)
お互いを良く知り合い本音の情報交換をおこなう場を持ちたいと思っております。

企業訪問・調査 10 月28日(金) 08:00〜12:20

櫻 井精技株式会社 (熊本県八代市、http: //www.sakuraiseigi.co.jp/)
省力化機械、無人化ラインの設計・製作、産業用ロボットの開発・製造を 行っている企業です。事業の特色 櫻井造船所を母体として昭和40年に設立し、一貫生産できるロボットメーカーをめざしております。また、産学官の大きなプロジェクトに積極的に参加し、技 術や技能の向上に力を入れています。

<< 参加組織 >>

<< 特別講演講師紹介 >>

特別講演1
西川正雄  先生 http://www.ktokai-u.ac.jp/~kikai/nishikawaken/nishikawa.htm
九州東海大学工学研究科 産業技術研究所・教授 
1963年3月、東京大学工学部機械工学科卒業
同年4月、本田技研工業に入社
1964年6月、本田技術研究所に転籍。自動車の足回りの新技術開発に従事。
1986年4月、本田基礎技術研究センターに転籍。ロボット研究室の初代室長として今のアシモ の研究開発を開始。
1997年2月、本田技術研究所を定年退社。
1999年4月、九州東海大学 工学部教授。ロボット研究を再開。現在に至る
北海道出身の68歳。第37回、科学技術庁長官賞受賞
 
特 別講演2
鈴木健生 先生  http://www.yaskawa.co.jp/
株式会社安川電機 生産本部・常務理事
1970年安川電機入社、インダクションモータの開発 、リニアモータの開発、日本初の全電気式産業用ロボットの開発、 真空磁気浮上の開発、世界初の真空ロボットの開発、 活線作業ロボット・移動ロボットの開発等に従事。

開催のご案内

 時下、ますますご清栄のこととお喜び申し上げます。
 さて、メカトロニクス研究会ならびに共同研究の可能性を探るための企業訪問・調査を下記のとおり開催いたしま すので、ご案内申し上げます。ご多忙中とは存じますが、ご担当の方の出席を賜りますようよろしくお願い申し上げます。

  1. 日時:
    2005年10月27日(木)〜28日(金)

  2. 場所:
    研究会会場:熊 本県工業技術センター   (案内図
    〒862-0901 熊本市東町3-11-38
    TEL 096-368-2101  http://www.kmt-iri.go.jp/
    交流会場、宿泊場所:グ ランド肥後
    〒862-0901 熊本市東町4-10-1
    TEL 096-367-1500 http://www.keikyo.jp/sisetu/KYUSYU_OKINAWA/grandhigo.html
    企業訪問・調査:櫻 井精技株式会社
    〒869-4613 熊本県八代市岡町谷川135
    http://www.sakuraiseigi.co.jp/

  3. 負担金:
    研究会参加費  1,000円
    交流会費      5,000円
    宿泊料          6,500円程度(税込み)

  4. プログラム概要(詳細準備中):

第20 回メカトロニクス研究会 事務連絡

  1. 研究発表会・事例紹介のお願い
    皆様の研究所、工業技術センター等で進めておられるメカトロニクス・ロボット関 連の研究、共同研究、技術指 導等について、研究会での発表をお願いいたします。分野を広めに捉えていただき、積極的なご参加をお待ちしております。報告資料は、1テーマにつきA4 (書式は自由)で6ページ以内の原稿をワープロで作成し、ご送付ください。お送りいただいた原稿は、そのままコピーして資料とします。なお、参加申込み先 と報告資料提出先が異なりますので、ご注意ください。

  2. 参加・宿泊申込先/資料提出先
  3. 企業訪問・調査について
    櫻 井精技株式会社熊本県八代市、http: //www.sakuraiseigi.co.jp/)
    同社は、省力化機械、無人化ラインの設計・製作、産業用ロボットの開発・製造を 行っている企業です。事業の特色 櫻井造船所を母体として昭和40年に設立し、一貫生産できるロボットメーカーをめざしております。また、産学官の大きなプロジェクトに積極的に参加し、技 術や技能の向上に力を入れています。

  4. 交通、集合・解散時間について

    (1) 交通:研究会会場は、 熊本空港から熊 本空港連絡バス(自衛隊経由)で東町中央にて下車徒歩 5分、JR熊本駅か らは熊本駅前発産交バス「県庁経由自衛隊前行き(A2)」で陸運支局入口下車徒歩7分又は市 電で 熊本駅前 発健軍行き(2系列)で健軍町(終点)にて下車徒歩15分、タクシー5分、九州自動車道益城熊本空港インターから5分のところにあります。

    (2) 集合時間:会議開始までに、熊本県工業技術センター精密機械分館3F プロジェクト研究室にお集まりください。

    (3) 解散時間:企業訪問・調査は貸し切りバスで移動し、解散時間は以下の予定です。
         11:10 八代駅着  12:20 熊本空港

  5. その他
    参加者には、後日スケジュール等の詳しい内容を送付いたします。
    (最新情報についてはホームページの情報を参照ください)
【お問い合わせ先】熊本県工業技術センター 電子部 園田増雄


参加申込について (〆切延長)

下 記の各項目の内容を電子メールにて連絡いただくか、参加申込書をダウンロードして必要事項を記入してFAXまたは郵送いただくようお願いいたします。(間 違いを減らして編集を容易にするために電子メールで連絡いただけると助かります)

参加申込書(FAX,郵送の場合): (WordファイルPDFファイル

- - 平成17年度メカトロニクス研究会(第20回)出欠連絡票 - -
9月26日(月)10月16日(日)までに事務局 mechatronics-req@m.aist.go.jp 宛てに連絡いただくようお願いいたします。

研究会(いずれかを消去):  参加/不参加
交流会(いずれかを消去):  参加/不参加 
宿泊(いずれかを消去):   希望/希望しない 
企業訪問・調査(いずれかを消去):  参加/不参加

機関名:
所属:
氏名:
住所:
TEL:
FAX:
E-mail:

研究発表・事例紹介をお願いできる方は以下もご記入下さい
発表題目:
発表者氏名:
使用機材:
(例:プロジェクタ(パソコンは各自ご用意ください。) OHP  等)
発表概要(100〜200字程度):
(そのまま、ホームページに掲載させていただきます。参考となるURL情報もいただけると幸いです)  
 

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